2017年大学入試センター試験問題



政治・経済 解答 第1問 問6~10正解

第 1 問
次の文章を読み、下の問い(問1 ~ 10)に答えよ。(配点28)

 

民法は私たちの生活に深く関係する法律である。民法は

の代表的な法律であり、財産関係や家族関係を扱っている。財産関係については、たとえば契約に関する規定がある。 a 市場でのモノの売買などの際には契約が結ばれる。コンビ二やスーパーでの日常的な買い物も契約の一種である。このように、 b 経済主体 にとって契約は不可欠なものである。家族関係については、親子関係や結婚などの身近な事柄に関する定めが設けられている。民法が日本で制定された経緯を理解するには明治初期の日本の状況に関する知識が必要である。当時の政府は、西洋列強との間に結んだ不平等条約の改正をめざしていた。そのために、日本が西洋諸国と同様の法制度をもつ c 「文明国」 であることを示す必要があったのである。こうした事情から、当時の西洋諸国の法を参考にして、民法をはじめとする各種の法令が制定された。ただ、当初作成された民法の家族関係の部分に対しては日本の「忠孝」の精神が滅ぶという批判がなされて論争が起こり、家の長である戸主が強い権限をもつ制度が最終的に作られた。しかし第二次世界大戦後その民法の家族関係の規定に大きな修正が必要になった。連合国の占領下で d 日本国憲法の制定 をはじめとする種々の改革がなされ、それに伴い民法についても e 国会 で改正が行われた。これにより、戸主制度が廃止され、個人の尊厳と両性の本質的平等とを基本とする家族制度が定められた。その後の f 経済発展 の時代を経て財産関係や家族関係は変化したが、それに合わせて民法の内容も補完されたり修正されたりしてきた。財産関係については、たとえば g 企業 と消費者との間の情報や交渉力の格差から生じるh 消費者問題 が深刻化したため、民法の内容を補う新たな法律が制定された。家族関係については、たとえば婚外子の遺産相続分を嫡出子の半分とする民法の規定が修正されたが、これは家族形態の多様化やそれに伴う国民の意識の変化などをうけて i 裁判所 がこの規定を違憲としたことによる。法律を学んでその内容を深く理解するためには、このように

にも注意を払うことが重要になる。

 

問6 下線部 e についての記述として正しいものを、次の①~④のうちから一つ選べ。

 

① 国会において憲法の規定に基づき内閣不信任決議案が可決された場合、内閣は総辞職か衆議院の解散かを選択することになる。

 

② 国会に設置されている委員会は、法律案の審議のために公聴会の開催が義務づけられている。

 

③ 国会は弾劾裁判所を設置する権限を有しており、弾劾裁判によって国務大臣を罷免することができる。

 

④ 国会の憲法審査会は、法律や命令が憲法に違反するかしないかを決定するために設置されている。

 

問7 下線部 f に関連して、次の図は、日本の国全体の正味資産である国富とその主要な構成項目である有形固定資産(住宅・建物・機械・設備など)、有形非生産資産(土地など)および対外純資産の推移を示している。図から読みとれる内容として最も適当なものを、下の①~④のうちから一つ選べ。

 

① アメリカ発の世界金融危機の後、国富は過去最高額に達した。

 

② バブル経済の時期、国富が急増した最大の要因は有形非生産資産の増加であった。

 

③ バブル経済の崩壊後、有形固定資産と有形非生産資産はともに減少傾向に あった。

 

④ プラザ合意成立の時期、有形固定資産は国富の最大構成項目であった。

 

問8 下線部 g についての記述として正しいものを次の①~④のうちから一つ選べ。

 

① 日本の会社法に基づいて設立できる企業に、有限会社がある。

 

② 企業の経営者による株主の監視を、コーポレート・ガバナンスという。

 

③ 日本の中央銀行である日本銀行は、政府全額出資の企業である。

 

④ 企業による芸術や文化への支援活動を、メセナという。

 

問9 下線部 h に関連する記述として正しいものを次の①~④のうちから一つ選べ。

 

① 消費者基本法により、食品の安全性を評価する国の機関として食品安全委員会が設置された。

 

② 貸金業法が改正され、消費者金融などの貸金業者からの借入れ総額を制限する総量規制が撤廃された。

 

③ 特定商取引法では、消費者が一定期間内であれば契約を解除できるクーングオフ制度が定められている。

 

④ グリ ーン購入法により、消費者は環境への負荷の少ない製品を優先的に購入することが義務づけられている。

 

問10 下線部 i に関連して、日本の裁判官や裁判制度についての記述として正しいものを次の①~④のうちから一つ選べ。

 

① 最高裁判所の長たる裁判官は、国会の指名に基づいて内閣によって任命される。

 

② 最高裁判所の裁判官はその身分が保障されていることから、解職されることがない。

 

③ 国民の批判と監視の下におくため、刑事裁判は常に公開しなければならない。

 

④ 特定の刑事事件において、犯罪被害者やその遺族が刑事裁判に参加して意見を述べることが認められている。

 

設 問 正 解 配 点
問6 1 3
問7 2 3
問8 4 3
問9 3 3
問10 4 3

 

 

 

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