2017年大学入試センター試験問題

生物

生 物

第 1 問 (必答問題)

 

  

 

 

生命現象と物質に関する次の文章(A ・ B)を読み下の問い(問1 ~ 5)に答えよ。

 

〔解答番号

〕(配点 18)

 

A 脊椎動物の内分泌腺から分泌される様々なホルモンは、標的細胞へ情報(シグナル)を伝達する物質としてはたらく。標的細胞にはホルモンと結合する(a)受容体タンパク質が存在し、ホルモンが受容体タンパク質に特異的に結合することで、シグナルが細胞内に伝達される。インスリン グルカゴン、およびバソプレシンはペプチドでできたホルモン、であり、(b)ペプチドホルモンとよばれる。

 

問1 下線部(a)に関連して、タンパク質とその構造に関する記述として誤っているものを次の①~⑧のうちから二つ選べ。 ただし、解答の順序は問わない。

 

① タンパク質は、ペプチド結合によりアミノ酸が多数つながってできている。

 

② タンパク質は、アミノ酸配列に応じた立体構造をとっている。

 

③ タンパク質の一次構造とはジグザグ状やらせん状の構造をいう。

 

④ タンパク質は、離れたアミノ酸どうしが、水素を介した弱い結合を形成することで、より安定した構造をとってい

 

⑤ タンパク質の三次構造とは、システインの側鎖間につくられる結合などによって二次構造が立体的に配置された構造をいう。

 

⑥ 複数のポリペプチドが組み合わさってできる立体構造をタンパク質の四次構造という。

 

⑦ タンパク質は、高温処理により水素を介した弱い結合が形成されるが、立体構造が変化することはない。

 

⑧ タンパク質は、強い酸やアルカリなどを作用させることで立体構造が壊れ、変性する。


 

問2 下線部(b)に関する記述として最も適当なものを次の①~④のうちから一つ選べ。

 

① ペプチドホルモンは細胞膜を通過して、細胞質に存在する受容体タンパク質と結合し、細胞内の情報伝達に関わる分子(情報伝達物質)の量を調節したり、リン酸化酵素などの性を変化させたりする。

 

② ペプチドホルモンは細胞膜を通過して、細胞質に存在する受容体タンパク質と結合し、ペプチドホルモンと受容体タンパク質の複合体が調節タンパク質としてはたらき遺伝子発現の調節に関与する。

 

③ ペプチドホルモンは細胞膜に存在する受容体タンパク質と結合し、細胞内の情報伝達に関わる分子(情報伝達物質)の量を調節したり、リン酸化酸素などの活性を変化させたりする。

 

④ ペプチドホルモンは細胞膜に存在する受容体タンパク質と結合し、ペプチドホルモンと受容体タンパク質の複合体が調節タンパク質としてはたらき、遺伝子発現の調節に関与する。


 

B 多細胞からなる真核生物において、同一個体の体細胞は同じゲノムをもっている。しかしながら、(c)ゲノムを構成するDNAからmRNAに転写される遺伝子の種類は細胞の種類によって異なる。ゲノムDNAの塩基配列には、mRNAに転写される配列以外に、プロモーター領域や(d)転写調節領域などの配列がある。遺伝子の転写は、調節タンパク質が転写調節領域に結合することによって活性化されたり、抑制されたりする。

 

問3 下線部(c)に関して、真核牛物の体細胞において、転写される遺伝子の種類が細胞の種類によって異なる理由の記述として最も適当なものを次の①~④のうちから一つ選べ。

 

① 染色体の数が細胞の種類によって異なっている。

 

② 常染色体上の遣伝子の数が細胞の種類によって異なっている。

 

③ 調節タンパク質の種類や量が細胞の種類によって異なっている。

 

④ オペレーターの数が細胞の種類によって異なっている。


 

問4 下線部(d)に関する記述として最も適当なものを次の①~④のうちから一つ選べ。

 

① 転写調節領域に結合した調節タンパク質は、RNAポリメラーゼにより転写されたmRNAのリボソームヘの結合を促進する。

 

② 転写調節領域は調節タンパク質のアミノ酸配列を指定し、その立体構造を決定する。

 

③ 転写調節領域は、RNAポリメラーゼにより転写されたmRNAの核内から細胞質基質への運搬を促進する。

 

④ 転写調節領域に結合した調節タンパク質は、プロモーター上の基本転写因子とRNAポリメラーゼとの複合体に作用する。


 

問5 次の図lに示すように、細胞が平面上に一層に並んだ細胞群を考える(並んでいる小さい直方体は一つの細胞を示す)。 この細胞群は遺伝子A をもち、その遺伝子の転写調節領域として B および C があるとする。この転写調節領域 B には調節タンパク質 D が結合し、遺伝子 A の転写を活性化する転写調節領域 C には調節タンパク質 E が結合し、遺伝子 A の転写を抑制する。ただし、調節タンパク質 E のはたらきは、調節タンパク質 D のはらきよりも強いものとする。次の1の細胞群において、調節タンパク D と調節タンパク質 E が存在する細胞の位置を、次の図2の灰色部分でそれぞれ示す。このとき遺伝子 A の転写が活性化される細胞の位置(黒塗り部分)を示す図として最も適当なものを、下の①~⑥のうちから一つ選べ。


 


 

 

第 2 問 (必答問題)

 

生殖と発生に関する次の文章(A ・ B)を読み、下の問い(問1 ~ 5)に答えよ。

〔解答番号

〕(配点 18)

 

A マウスの眼の形成過程では脳の一部から突出して形成された眼胞の中央がくぼんで眼杯となる。眼杯はそれが接している表皮の水晶体への分化を(a)三墨する。マウスにおける眼の形成のしくみを調べるため、次の実験1 ~ 3を行った。

 

実験1  野生型マウスのはい(以後、胚Wとよぶ)から、眼杯と、将来水晶体が形成される外胚葉の領域(以後、予定水晶体領域とよぶ)とを切り出した。胚Wの眼杯と予定水晶体領域とを合わせて培養したところ、下の表lの結果が得られた。

 

実験2 突然変異体マウス X では、水晶体が形成されない。突然変異体マウス X の胚(以後胚Xとよぶ)と胚Wから、眼杯と予定水晶体領域とを切り出した。胚Xあるいは胚Wの眼杯と、胚Xあるいは胚Wの予定水晶体領域とを合わせて培養したところ、次の表lの結果が得られた。

表 1
培養の組合せ 予定水晶体領域の培養後の状態
眼杯 予定水晶体領域
実験1の結果 胚 W 胚 W 水晶体に分化した
胚 X 胚 X 水晶体に分化しなかった
実験2の結果 胚 W 胚 X 水晶体に分化した
胚 X 胚 W 水晶体に分化しなかった

 

実験3 胚Wから作った未分化な細胞である胚性幹細胞(ES細胞)を塊状にして、特殊な条件下で培養するとES細胞が全て神経性の外胚葉細胞に分化した。この細胞塊をさらに培養し続けると、細胞塊の表面に眼胞が形成され眼杯になった後に網膜へと分化したが、水晶体は形成されなかった。

 

問1 下線部(a)に関連して、イモリの発生過程における分化の誘導に関する記述として最も適渭なものを次の①~④のうちから一つ選べ。

 

① 胞胚から切り出した予定外胚葉域と予定内胚葉域を合わせて培養すると、予定内胚葉域が神経管に分化する。

 

② 胞胚の予定中胚葉域は、角膜の分化を誘導する。

 

③ 後期原腸胚の内胚葉を初期神経胚の神経板域に移植すると、移植片は水晶体に分化する。

 

④ 初期原腸胚の原口背唇部は外胚葉の神経管への分化を誘導する。


 

問2 実験1 ・ 実験2の結果から導かれる考察として最も適当なものを次の①~④のうちからつ選べ。

 

① 胚Xの眼杯は、水晶体への分化に必要な誘導物質を分泌していない。

 

② 胚Xの予定水晶体領域は水晶体への分化に必要な誘導物質を受容する能力がない。

 

③ 胚Wの眼杯は、水晶体への分化に必要な誘導物質を分泌していない。

 

④ 胚Wの予定水晶体領域は、水晶体への分化に必要な誘導物質を受容する能力がない。


 

問3 実験1 ~ 3の結果から導かれる考察として最も適当なものを次の①~④のうちから一つ選べ。

 

① 胚Wから作ったES細胞から形成された眼胞は、胚Wの予定水晶体領域と合わせて培養しても水晶体への分化を誘導する物質を産生できない。

 

② 胚Wから作ったES細胞から形成された眼胞は、予定水晶体領域とわせて培養しなぐても、眼杯になる能力がある。

 

③ 胚Wから作ったES細胞から形成された眼胞を、胚Xの眼胞と交換移植しても胚Xに水晶体の分化は誘導されない。

 

④ 胚Wから作ったES細胞から形成された網膜は、眼胞をくぼませて、眼杯の形成を誘導するための形成体として、必要不可欠である。


 

B 被子植物であるイネの花では おしべのやくで雄性の配偶子が、はいしゅ内で雌性の配偶子がそれぞれつくられる。体細胞における染色体数が24本であるイネでは、減数分裂により、花粉の中に染色体を

本もつ精細胞がつくられる。 胚珠内では、染色体を

本もつ胚のう母細胞が減数分裂し、その後3回の核分裂が起こり胚のうがつくられる。つの胚のうは合計

本の染色体をもつ。重複受精が起こったのち、胚珠内に(b)胚乳が発達した種子がつくられる。

 

問4 上の文章中の

に入る数値として最も適当なものを、次の①~⑤のうちからそれぞれ一つずつ選べ。ただし、同じものを繰り返しんてもよい。ア

・ イ

・ウ

① 12 ② 24 ③ 48
④ 96 ⑤ 192  


 

 

問5 下線部(b)に関連して、イネの種子の胚乳には、ヨウ素ヨウ化カリウム溶液(ヨウ素液)で青紫色に呈色(発色)する形質をもつものと、赤紫色に呈色するをもつものとがある。これらのうち、青紫色に呈色する形質が優性で、優性の対立遺伝子 W と劣性の対立遣伝子 w の一組の対立遺伝子が関係している。青紫色に呈色する形質をもつ純系 A と、赤紫色に呈色する形質をもつ純系 B とを用いて次の表2に示す組合せで交配をし、雌親に実った種子をヨウ素液で呈色させた。この結果から導かれる考察として最も適当なもの、を下の①~⑤のうちから一つ選べ。

表 2
交配の組合せ 雌親に実った種子をヨウ素液で呈色させた結果
雌親 雄親(花粉)
交配1 純系A 純系B 青紫色の種子のみ
交配2 純系B 純系A 青紫色の種子のみ
交配3 純系B 交配1で得られたF₁個体 青紫色の種子と赤紫色の種子
交配4 交配1で得られたF₁個体 純系B 青紫色の種子と赤紫色の種子

 

① 交配1で実った種子の胚乳の遺伝子型と、交配2で実った種子の胚乳の遺伝子型は、同じである。

 

② 交配1で実った種子の胚乳の遺伝子型と、交配3で青紫色に呈色した種子の胚乳の遺伝子型は、同じである。

 

③ 交配2で実った種子の胚乳の遺伝子型と、交配3で青紫色に呈色した種子の胚乳の遣伝子型は、同じである。

 

④ 交配3で赤紫色に呈色した種子の胚乳の遺伝子型と、交配4で赤紫色に呈色した種子の胚乳の遺伝子刑は、異なる。

 

⑤ 交配3で青紫色に呈色した種子の胚乳の遺伝子型と、交配4で青紫色に呈色した種子の胚乳の遺伝子刑は、同じである。


 

 

第 3 問 (必答問題)

 

生物の環境応答に関する次の文章(A ・ B)を読み、下の問い(問1 ~ 6)に答えよ。

 

〔解答番号

〕(配点 18)

 

A 脊椎動物の神経系は、中枢神経系と末梢神経系とに大きく分けられる。中枢神経系は脳と

からなり、末梢神経系は、はたらきの上では、感覚や運動に関与する

と、消化や循環などの調節を行う

からなっている。神経系を構成する基本単位である神経細胞はニューロンとよばれ、細胞体、樹状突起、および軸索の三つの構造に大きく分けられる。他のニューロンからの情報は主に樹状突起で受け取られ、細胞体を経て(a)活動電位として軸索を伝導していく。軸索の末端は、次のニューロンの樹状突起などとシナプスにおいて連絡し、次のニューロンヘと(b)情報が伝達される。 このようにして、神経系で情報は処理されていく。

 

問1 上の文章中の

に入る語の組み合わせとして最も適当なものを、次の①~⑧のうちから一つ選べ。

 
延 髄 体性神経 自立神経
延 髄 自立神経 体性神経
延 髄 脊 髄 自立神経
延 髄 脊 髄 体性神経
脊 髄 体性神経 自立神経
脊 髄 自立神経 体性神経
脊 髄 体性神経 延 髄
脊 髄 自立神経 延 髄


 

問2 下線部(a)に関して、軸索には有髄神経繊維と無髄神経繊維の2種類があり、有髄神経繊維の方が、活動電位の伝導速度が速いことが知られている。この理由として当なものを次の①~⑥のうちから一つ選べ。

 

① 有髄神経繊維の興奮した部位は、しばらくは再び興奮できない。

 

② 静止状態においては、有髄神経繊維の外側は内側に比べ電位が正になっている。

 

③ 有髄神経繊維においては、ランビエ絞輪でのみ活動電位が発生する。

 

④ 閾値より強い刺激によって、はじめて有髄神経繊維に興奮が生じる。

 

⑤ 有髄神経繊維に活動電位が生じるとき、ナトリウムイオンが流入する。

 

⑥ 有髄神経繊維では、活動電位が両方向に伝導する。


 

問3 下線部(b)に関して、シナプスで生じる化学的伝達のしくみについて、次の文章中の

に入る語の組合せとして最も適当なものを、下の①~⑥のうちから一つ選べ。

 

活動電位が軸索の末端に到達すると、末端部にある

が軸索の膜に融合し、内部に蓄えられていた

が、シナプスの間隙に向かって放出される。

は隣接するニューロンの樹状突起上などにある受容体(受容部位)に結合して、

の活性化による電位変化などを起こす。
 
シナプス小胞 イオンチャネル 神経伝達物質
シナプス小胞 神経伝達物質 イオンチャネル
神経伝達物質 イオンチャネル シナプス小胞
神経伝達物質 シナプス小胞 イオンチャネル
イオンチャネル 神経伝達物質 シナプス小胞
イオンチャネル シナプス小胞 神経伝達物質


 

B (c)レタスの種子の光発芽では、フィトクロムが光受容体としてはたらくことが知られている。フィトクロムは X型と Y型の二つのかたちをとり、X型は波長660 nm付近の光を吸収して Y型へ、また Y型は波長730 nm付近の光を吸収して X型へと、可逆的に変化する。異なる光環境がレタスの種子の光発芽に与える影響について調べるため、次の実験1 ・ 実験2を行った。

 

実験1 直射日光があたる日なたの条件と、他の植物の葉の陰となる日かげの条件において、光の強さを波長ごとに調べたところ、次の図1の結果が得られた。

 

実験2 生育に適した一定の温度条件において、暗所で十分に吸水させたレタスの種子それぞれ100粒に対し、次の図2の I ~ V に示すように図1の各光条件を組み合わせて処理した。48時間後に発芽率(発芽した種子数の割合)を調べたところ、図2の右側に示す結果が得られた。

 

問4 下線部(c)に関して、レタスの種子の光発芽が起こる時のフィトクロムのはたらきに関する記述として最も適当なものを次の①~④のうちから一つ選べ。

 

① ジベレリンの量を増加させる。

 

② アブシシン酸の量を増加させる。

 

③ フロリゲンの量を増加させる。

 

④ 春化を促進する。

 

問5 次の文章は実験2において図2の I ~ IV の結果から導かれる考察である。文章中の

に入る数値と語の組合せとして最も適当なものを、下の①~④のうちから一つ選べ。

 

日なたとは異なり、日かげでは、上方を覆う他の植物の葉が波長

nm 付近の光をよく吸収するため、波長

nm 付近の光より波

nm 付近の光か弱くなる。その結果、

型のフィトクロムが減少し、レタスの種子の発芽率が低下する。
 
660 730 X
660 730 Y
730 660 X
730 660 Y


 

問6 実験2において、図2の V の結果(

)として最も適当なものを次の①~④のうちから一つ選べ。

① 0% ② 20%
③ 60% ④ 100%


 

 

第 4 問 (必答問題)

 

生態と環境に関する次の文章(A ・ B)を読み、下の問い(問1 ~ 5)に答えよ。

〔解答番号

〕(配点 18)

 

A ハリガネムシは、一生の一時期を、陸に生息する無脊椎動物(主にバッタ類)の体内に寄生して過ごす。また、ハリガネムシは、バッタなどの宿主(寄主)が水中に落下した後すぐに宿主から出て、水中で繁殖を行う。そこで、ハリガネムシが陸と水の間を移動する方法と、ハリガネムシが生態系に与える影響を明らかにするため、次の実験1 ・ 実験2を行った。

 

実験1 ハリガネムシが寄生した42個体のバッタと、寄生していない38個体のバッタを用意した。下の図1のように、バッタを1個体ずつ、通路1と通路2に分かれた道の入口に置いた。通路lの先には何も入っていない深いくぼみが、通路2の先には水で満たされた深いくぼみがある。通路1と通路2の分岐点からは、くぼみが水で満たされているかどうかは見えない。また、通路は屋根で覆われており、バッタは外には出られない。入口にバッタを置いた後、外に出られないように入口をふさいでから30分後に、通路1も しくは通路2に進んでいたバッタの個体について調べた。その結果、ハリガネムシが寄生したバッタは合計で21個体が通路1の方向へ、21個体が通路2へ進んでいた。一方で寄生していないバッタは合計で19個体が通路1へ、19個体が通路2ヘ進んでいた。また、通路2へ進んだ個体のうち、ハリガネムシが寄生していないバッタはどの個体も水に飛び込んでいなかったが、ハリガネムシが寄生したバッタは全ての個体が飛び込んでいた。

 

実験2 三つの川 X ~ Z における高次捕食者である淡水魚Aは、次の図2のように、川に生息する水生無脊椎動物だけでなく、川に落ちた陸生無脊椎動物も食べる。これら三つの川の川沿いでバッタを採集し、ハリガネムシに寄生されているバッタの数の割合を調べた。また、それぞれの川から淡水魚Aを採集して冑の中身を確認し、食物の種類と重量を調べ、一日あたりに得た食物の割合(重量割合)を算出したところ、下の図3の結果が得られた。ただし、ハリガネムシに寄生されているバッタの数の割合以外の条件は三つの川の間で同じとする。


 

問1 実験1の結果から導かれる考察として最も適当なものを次の①~④のうちから一つ選べ。

 

① ハリガネムシに寄生されると、バッタは水が見えなくても、水辺に近づくようになる。

 

② ハリガネムシされるとパッタは水が見えなくても水辺から遠ざかるようになる。

 

③ ハリガネムシに寄生されると、バッタは目の前の水に飛び込むようになる。

 

④ ハリガネムシに寄生されると、バッタは目の前の水を避けるようになる。


 

問2 実験1 ・ 実験2の結果から導かれる、川 X ~ Y が流れる地域の生態系に関する考察として適当なものを次の①~⑧のうちから二つ選べ。ただし、解答の順序は問わない。

 

① ハリガネムシに寄生されているバッタの数の割合が高い地域の川ほど、淡水魚 A がバッタ以外の陸生無脊椎動物を食べる重量割合は高い。

 

② ハリガネムシに寄生されているバッタの数の割合が低い地域の川ほど、淡水魚 A が水生無脊椎動物を食べる重量割合は低い。

 

③ ハリガネムシに寄生されているバッタの数の割合が低い地域の川ほど、淡水魚 A がバッタを食べる重量割合は高い。

 

④ どの川でも、淡水魚 A は、水生無脊椎動物よりも、バッタを含む陸生無脊椎動物を高い重量割合で食べている。

 

⑤ 川には寄生者がいないため、陸の食物網に比べて食物網が安定している。

 

⑥ 陸と川の生態系は独立しており、互いにエネルギーの流入はない。

 

⑦ 寄生者による宿主の行動の変化が、陸と川の生態系間でのエネルギーの流れを変える。

 

⑧ 寄生者によって行動が変化した宿主は、陸では消費者だったが、川では生産者になった。


 

B 外部の要因によって既存の生態系やその一部が破壊される現象を(a)かくらんとい う。 また、異なる種の間で、食物生活場所、光、栄養分などをめぐって競い合う現象を(b)種間競争という。撹乱と種間競争は(c)生物群集の種の組成や多様性に影響を与えることがある

 

問3 下線部(a)の例として最も適当なものを次の①~⑥のうちから一つ選べ。

 

① 草原はしだいに森林に変化する。

 

② アユは、川底の大きな石についた藻類を独占するため侵入した他個体を追い払う。

 

③ 根粒菌は、窒素化合物を植物に提供し、植物から炭水化物を受け取る。

 

④ ヤンバルクイナ(鳥類の一種)は、人間が導入したマングース(肉食哺乳一類の 種)のため激減した。

 

⑤ コノハチョウ(チョウ類の一種)は、樹木の葉に似たはねをもつため捕食から逃れやすい。

 

⑥ ムクドリは、天敵を発見する確率を高くするため集団で生活する。

 

問4 下線部(b)の例として最も適当なものを次の①~⑥のうちから一つ選べ。

 

① 貧栄養な上地に草本植物2種をそれぞれ複数個体混ぜて植えたところ一方の種が土壌中の窒素を効率良く吸収したため、他方の種が排除された。

 

② 肉食性のキツネの個体数が激減した数年後に、同じ地域内のウサギの個体数が増加した。

 

③ アブラムシは、甘い汁をアリに提供し、アリによって天敵から守られる。

 

④ ある種のハチの幼虫はチョウの幼虫の体内にもぐり込んで組織を食べることにより、最終的にチョウの幼虫を殺す。

 

⑤ コバンザメ(魚類の一種)は、大型のサメに付着し、移動に要するエネルギーを節約する。

 

⑥ ある種の力に血を吸われたヒトが、マラリア原虫が引き起こす感染症を発症した。


 

問5 下線部(c)に関連して、生息場所をめぐって互いに競争している複数種のサンゴによって構成されるサンゴ礁で、サンゴの被度(岩盤の表面積のうち、生きたサンゴに覆われた面積の割合)とサンゴの種数を調べたところ、次の図4に示す結果が得られた。下の記述ⓐ~ⓕのうち、図中の領域Ⅰ ~ Ⅲ で起こっている現象の説明の組合せとして最も適当なものを下の①~⑧のうちから一つ選べ。ただし、サンゴの被度は台風などの撹乱の程度によって決まっており、撹乱の程度が増加するとサンゴの被度は減少するものとする。

 

ⓐ サンゴ礁のほとんどが破壊され、撹乱後に素早く侵入する種だけが生存している。

 

ⓑ サンゴ礁のほとんどが破壊され、種間競争に強い種だけが生存している。

 

ⓒ 破壊された部分と破壊されなかった部分とがサンゴ礁内にモザイク状に混在するため、撹乱後に素早く侵入する種も、種間競争に強い種も生存できない。

 

ⓓ 破壊された部分と破壊されなかった部分とがサンゴ礁内にモザイク状に混在するため、撹乱後に素早く侵入する種や、種間競争に強い種を含めて多くの種が共存している。

 

ⓔ サンゴ礁がほとんど破壊されておらず、撹乱後に素早く侵入する種だけが生存している。

 

ⓕ サンゴ礁がほとんど破壊されておらず種間競争に強い種だけが生存している。
 


 

第 5 問 (必答問題)

 

生物の系統と進化に関する次の文章(A ・ B)を読み、下の問い(問1 ~ 6)に答えよ。

〔解答番号

〕(配点 18)

 

A 哺乳類は中生代の

に、鳥類は

に出現した。中生代は約

年前に終わり、新生代になると哺乳類や鳥類は多様化した。哺乳類に関して、ある研究では DNA の塩基配列をもとに次の図 1 のような系統関係を支持する系統樹が得られている。この系統樹の

には、イヌ、ハツカネズミ、アフリカゾウのいずれかが入る。

 

問1 上の文章中の

に入る語と数値の組合せとして最も適当なものを次の①~⑥のうちから一つ選べ。

 
ジュラ紀 白亜紀 6600万
ジュラ紀 白亜紀 2300万
三畳紀 白亜紀 6600万
三畳紀 白亜紀 2300万
三畳紀 ジュラ紀 6600万
三畳紀 ジュラ紀 2300万


 

問2 イヌ、ハツカネズミ、アフリカゾウ、マッコウクジラ、およびキリンの間には次のⓐに示すような類縁関係があることが分かっている。

 

ⓐ ハツカネズミは、アフリカゾウよりマッコウクジラと近縁である。キリンは、ハツカネズミよりイヌと近縁である。

 

このとき、上の図1の

に入る動物の組合せとして最も適当なものを次の①~⑥のうちから一つ選べ。

 
アフリカゾウ ハッカネズミ イ ヌ
アフリカゾウ イ ヌ ハッカネズミ
イ ヌ アフリカゾウ ハッカネズミ
イ ヌ ハッカネズミ アフリカゾウ
ハッカネズミ アフリカゾウ イ ヌ
ハッカネズミ イ ヌ アフリカゾウ


 

問3 シーラカンス、イチョウ、ソテツ、カモノハシなどの生物は生きている化石とよばれている。これらの種に関する記述として誤っているものを次の①~④のうちから一つ選べ。

 

① シーラカンスは、肉質のひれをもつ硬骨魚類である。

 

② イチョウは、精子をつくる被子植物である。

 

③ ソテツは、種子をつくる裸子植物である。

 

④ カモノハシは、卵を産む哺乳類である。


 

B 生物集団中には通常たくさんの遺伝的変異が含まれており、その集団における個々の対立遺伝子の割合を(a)遺伝子頻度という。ある条件の下では世代を経ても集団内の遺伝子頻度は変化しないことが分かっており

とよばれ ている。

 

問4 下線部(a)に関して、ある地域に生息する植物がもつ対立遺伝子 A, a について、遺伝子型 AA、Aa、aa をもつ個体の数を調べたところ、それぞれ250、200、50、であった。このとき対立遺伝子 A の遺伝子頻度として最も適当なものを、次の①~⑧のうちから一つ選べ。

① 0.50 ② 0.60 ③ 0.67 ④ 0.70
⑤ 0.75 ⑥ 0.80 ⑦ 0.88 ⑧ 0.90


 

問5 上の文章中の

に入る語句として最も適当なものを次の①~⑤のうちから一つ選べ。

 

① シャルガフの法則

 

② 全か無かの法則

 

③ ハーディ・ワインベルグの法則

 

④ 分離の法則

 

⑤ 優性の法則


 

問6 十分に大きな集団において遺伝子頻度が変化する場合、その要因として適当でないものを次の①~④のうちから一つ選べ。

 

① 自然選択がはたらく。

 

② 集団内の個体が自由に交配する。

 

③ 集団内に突然変異が生じる。

 

④ 他の集団との間で個体の移出入が起こる。


 

 

第 6 問 (選択問題)

 

細胞を構成する物質や細胞小器官を解析する研究技術に関する次の文章を読み、下の問い(問1 ・ 問2)に答えよ。

〔解答番号

〕(配点 10)

 

遠心力を利用して、生体物質や細胞小器官をそれらの大きさ、質量、密度に基づいて遠心分離する技術(遠心分離技術)が開発されてきた。

 

問1 DNA の複製のしくみについて調べるため、遠心分離技術を用いた実験を行った。同位体¹⁵N(重い窒素)のみを窒素源として含む培地で大腸菌を長期間培養し、大腸菌内の窒素をほぼ全て¹⁵Nに置き換えた。その後、¹⁴N(軽い窒素)のみを窒素源として含む培地に移して培養し、大腸菌を2回分裂させた。この大腸菌からDNAを抽出し、遠心分離技術により、その密度に基づいて分離した。遠心分離後の遠心管(試料の遠心分離に用いる容器)中の、分離されたDNAの様子として最も適当なものを次の①~⑥のうちから一つ選べ。



 

問2 細胞小器官の特性を調べる実験を行った。ラットの肝臓から肝細胞を単離後、塩分濃度の低い溶液で破裂さ 次に、ほとんど全ての遺伝情報を含む細胞小器官Aを、その分離に適した条件の遠心分離技術で、沈殿物として遠心管の底に分離した。その後、細胞小器官Aを除いた細胞抽出液を、底の方が密度が高く、 上面に近い方が密度が低い勾配をもった溶液を満たした遠心管を用いて遠心分離することにより、細胞小器官をその密度に基づいて分離した。 その結果、タンパク質を分解する酵素が多く まれる密度 1.12g/cm³の細胞小器官B, ATPを合成する酵素が多く含まれる密度1.18g/cm³面の細胞小器官C, およびカタラーゼが多く含まれる密度1.23 g/cm³の細胞小器官Dが分離された。 細胞小器官 A ~ D に関する記述として適当なものを、次の①~⑧のうちから二つ選べ。ただし、解答の順序は問わない。

 

① 細胞小器官Aでは、スプライシングが起こる。

 

② 細胞小器官Bでは、酸化的リン酸化が起こる。

 

③ 細胞小器官Cでは、アルコール発酵が起こる。

 

④ 細胞小器官Dでは、光エネルギーを利用したATPの合成が起こる。

 

⑤ 細胞小器官B、C、およびDのうち、遠心管の底から一番遠くに分離される細胞小器官では、クエン酸回路がはたらいている。

 

⑥ 細胞小器官B、C、およびDのうち、遠心管の底から一番遠くに分離される細胞小器官では、カルビン・ベンソン回路がはたらいている。

 

⑦ 細胞小器官B、C、およびDのうち、遠心管の底から一番近くに分離される細胞小器官では、過酸化水素が酸素と水に分解される。

 

⑧ 細胞小器官B、C、およびDのうち、遠心管の底から一番近くに分離される細胞小器官では、アルコールが酸素と水に分解される。


 

 

第 7 問 (選択問題)

 

次の文章は生物多様性の探究活動の一環として、ある海岸で生物観察を行ったススムとハナの会話である。 この文章を読み、下の問い(問1 ~ 3)に答えよ。

〔解答番号

〕(配点 10)

 

ススム:このあたりにはワカメ、アマモが生えているね。

 

ハ ナ:ワカメは原生生物、アマモは被子植物だね。 ワカメやアマモの周りには、いろんな生き物がいそうだね。

 

ススム:ほかの生き物も探してみよう。ここにいるのはタコ、(a)アサリ、エビ、ゴカイ、アメフラシヒトデ、(b)クラゲ、 ウニ。 どれも無脊椎動物だ。

 

ハ ナ:ゴカイには節があるけど、アメフラシには節がないね。

 

ススム:アメフラシもクラゲも体がやわらかそうだね。 触っても大丈夫かな?

 

ハ ナ:クラゲに触ると刺されるよ!気をつけてね。

 

ススム:そうだった。 いろんな構造をした多様な生物がいるね。

 

 

二人はアメフラシを採集して、水槽に入れ、行動を観察することにした。

 

 

ススム:アメフラシの水管に刺激を与えると、えらを引っ込める反応を示すらしい。指でやさしく触ってみよう。

 

ハナ:そんなに(C)何度も水管を触ると、鯉を引っ込めなくなるよ。

 

ススム:鯉が反応しなくなった。 行動が変化したね。

 

ハナ:(d)動物が経験によって、行動を変化させたり、新しい行動を示すようになったりすることがあるんだね。

 

問1 上の文章中の下線部(a)・(b)の動物はどの分類群に属するか、最も適当なものを次の①~⑥のうちからそれぞれ一つずつ選べ。(a)

・ (b)

① 軟体動物 ② へんけい動物 ③ 線形動物
④ 環形動物 ⑤ 脊索動物 ⑥ 刺胞動物


 

問2 上の文章中の下線部(c)・(d)のような現象を表す語の組合せとしても適当なものを、次の①~⑥のうちから一つ選べ。

  (c) (d)
反 射 進 化
反 射 学 習
慣 れ 進 化
慣 れ 学 習
適刺激 進 化
適刺激 学 習


 

問3 観察された生物の特徴についての記述として最も適当なものを、次の①~④のうちから一つ選べ。

 

① ヒトデでは、胚の原口が将来の肛門になる。

 

② タコでは発生初期に脊索とよばれる構造がみられる。

 

③ ウニでは原腸胚が外胚葉と内胚葉の二つの胚葉のみからなる。

 

④ アマモの花では、胚珠が裸出している。


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