2017年大学入試センター試験問題





日本史A 解答 第1問 A問3正解

第 1 問
次の文章A・Bは、受験を控えた高校生幽太(ゆうた)とその姉理子(りこ)との会話である。この文章を読み、下の問い(問1 ~ 6)に答えよ。(史料は、一部省略したり、書き改めたりしたところもある。)(配点 20)

 

A
幽 太:このあいだ、神社で入試の合格を祈ってきたよ。もう合格間違いなしさ。

 

理 子:神頼みなんて何いってるの。慶応義塾を創設した

は少年時代から非合理なものを信じず、御札を踏んでも罰が当たらないと確認したり、神社のご神体を落ちている石と置き換えたりしたと自伝に書いているよ。

 

幽 太:へえ。でも、非合理なものを否定する人ばかりじゃないでしょう。哲学館(現在の東洋大学)をつくった井上円了は『妖怪学講義』という本を出して、妖怪博士といわれたそうじゃないか。
理 子:円了は、妖怪の多くを合理的に説明してみせて、迷信を批判したんだよ。

 

幽 太:そうなのか。円了は、欧化主義を批判して国粋保存を唱えた

の一員だから、妖怪伝承も日本の伝統文化として擁護したのかと思っていたよ。

 

理 子:円了が妖怪という語で指しているのは、私たちが想像するような奇怪な化け物だけでなく、もっと広く、不思議な言い伝え全般だったんだけどね。

 

幽 太:妖怪という言葉の意味や、それに対する見方も変わってきているのか。そういえば、戦後に a 首相をつとめた岸信介 も、メディアで「昭和の妖怪」というあだ名をつけられたことがあったよね。あれはどういうニュアンスで使われていたんだろう。

 

理 子: b 対立する相手や、うかがい知れない相手のことを「妖怪」とよぶ ことがあるけど、そうした文脈からなんだろうね。時代が変わるなかで、妖怪のイメージがどんなふうに変化してきたのかを考えてみるのも面白そうだね。

 

問3 下線部 b に関連して、次の史料1、史料2 に関して述べた下の文 a ~ d について、正しいものの組合せを、下の①~④のうちから一つ選べ。

 

史料1
美濃部と(い)ふ妖怪が現はれ、我が国体を攪乱(かくらん)するのである。(中略)美濃部はロンドン条約の時「日本の憲法には統帥権の独立がない。それだから、軍令部長の意見などは、参考に聞けば(よろ)しい」と、浜口首相を躍らして、統帥権の干犯と云ふ大罪を作らした。

(田代強八『妖雲漂ふ皇国を語る』1935 年)

 

史料2
日独防共協定が調印されてから来る二十五日はまさに一周年、この枢軸にさらに南欧の黒シャツ伊太利を加へて”赤き妖怪”駆逐の騰壁(しょうへき)(注)は欧亜大陸上に三拠点を結んで微動だにせぬ安定を得た。
(注)騰壁:垣根や壁。

(田代強八『妖雲漂ふ皇国を語る』1935 年)

 

a 史料1の筆者は、天皇機関説に賛成の立場であったと考えられる。

 

b 史料1 の筆者は、ロンドン海軍軍縮条約締結に反対の立場であったと考えられる。

 

c 史料2 において「妖怪」とされているのはアメリカ合衆国である。

 

d 史料2 において「妖怪」とされているのは共産主義勢力である。

 

① a . c

 

② a . d

 

③ b . c

 

④ b . d

正 解
配 点

 

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