2017年大学入試センター試験問題





現代社会 解答 第6問 問1~5正解

第 6 問
次の文章を読み、下の問い(問1 ~ 5)に答えよ。(配点 14)

 

現代の a 経済の仕組み の下では、多くの人々が企業で働き、賃金を得て生活している。そうした b 労働者の立場 からすると、賃金は上がる方が望ましいだろう。逆に企業の立場からはどうか。 c 利潤を追求する企業 にとって、賃金は費用である。費用が低くなれば、企業はその分高い利潤を得て、それが生産を活発にするかもしれない。同じことが多くの企業で起きれば経済全体も活性化し得るという理由で、賃金は下がる方がよいと結論づけられそうだがことはそう単純ではない。通常賃金が下がった場合、労働者は支出を抑えることになる。賃下げが多くの企業で行われれば経済全体として消費支出が減り、 d 景気 は悪化することになるだろう。このように賃金の低下は経済活動を停滞させてしまい、結果として個々の企業の利潤を低下させてしまう可能性がある。以上のように賃金は、個々の企業にとって費用であるー方、経済全体にとっては需要を生み出す e 所得 としての側面をもつ。賃金の上昇や低下は、これら二つの側面を通じて、企業の利潤に影響を与える。賃金が上がる方がよいのか、下がる方がよいのかは、費用としての側面が経済全体に与える効果と、所得としての側面が与える効果のどちらが強いか次第とも言えよう。一つの経済的変化が複数の効果をもち、それが経済全体に広がっていることに皆さんも目を向けてみよう。

 

問1 下線部 a に関して、資本主義経済にかかわる考え方に関する記述として適当でないものを次の①~④のうちから一つ選べ。

 

① J.M.ケインズは、資本主義の下で生じる深刻な不況や失業という問題に対処するために、有効需要を政府がつくり出すべきと主張した。

 

② A. スミスは、人々が自己利益を追求することが、同時に社会全体の利益にもなると主張した。

 

③ J.A.シュンペーターは、企業家による創造的破壊が、資本主義経済を発展させる原動力であると主張した。

 

④ D. リカードは、資本主義の下では、労働者は生産物や自分自身から疎外されると主張した。

 

問2 下線部 b に関して、1990年代以降の日本における労働環境に関する記述として最も適当なものを次の①~④のうちから一つ選べ。

 

① 労働者一人当たりの年間総労働時間は次第に短くなり、現在はドイツやフランスを下回るまでになっている。

 

② 労働甚準法の改正によって、裁量労働制の対象となる業務の範囲が拡大した。

 

③ 若年層の失業率は、全年齢層の平均失業率に比べて低い状態が続いている。

 

④ 労働者派遣法の改正によって、製造業は、原則として労働者派遣業務の対象外となった。

 

問3 下線部 c に関して、市場における競争や企業に関する記述として最も適当なものを次の①~④のうちから一つ選べ。

 

① 小規模な売り手と買い手が多数存在するなど、自由競争が支配する市場では、企業は価格支配力をもたないとされる。

 

② 企業が、将来の新規投資などに充てるべく、獲得した利潤のうちから蓄積する部分を減価償却と呼ぶ。

 

③ 規模の経済が働く産業における競争では生産規模が小さな企業ほど有利であるとされる。

 

④ 企業が、その業務の一部を他の企業に委託することをデリバティブと呼ぶ。

 

問4 下線部 d に関して、現代の景気循環における諸局面と経済政策に関する記述として適当でないものを次の①~④のうちから一つ選べ。

 

① 好況期において、景気の過熱を抑えるために政府が行う政策の一つとして、増税がある。

 

② 景気の後退期においては、商品の需要に対して供給が過剰になり、在庫が増える傾向にある。

 

③ 不況期において、景気を回復させるために中央銀行が行う政策の一つとして、金融市場で国債等を売却する操作がある。

 

④ 景気の回復期においては、在庫が一定水準以下に減少すると、商品の生産が増加する傾向にある。

 

問5 下線部 e に関して、所得の格差や再分配に関する記述として最も適当なものを、次の①~④のうちから一つ選べ。

 

① 1980年代以降日本では、所得に関するジニ係数の低下傾向が続いている。

 

② 1990年代以降中国では、都市部と農村部との所得格差が小さい状況が続いている。

 

③ 税負担の垂直的公平とは、職種にかかわらず、同程度の所得であれば同程度の税金を負担すべきという考え方である。

 

④ 公的扶助には、所得を再分配する機能があるとされる。

 

設 問 正 解 配 点
問1 4 3
問2 2 3
問3 1 3
問4 3 2
問5 4 3

 

 

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