2017年大学入試センター試験問題



現代社会 解答 第5問 問1~5正解

第 5 問
次の文章を読み、下の問い(問 1 ~ 5)に答えよ。(配点 14)

 

ユネスコをはじめとする a 国際機関 は、すべての子どもに教育を提供することを目指して、長年、取り組んできた。しかし、開発途上国には、今も小学校に行くことのできない子どもがいる。教育を受けられない主な原因の一つは、 b 貧困 である。貧しい地域に住んでいると、通える範囲に学校がない、校舎があっても先生がいないので授業が受けられないという場合もある。また、家庭が貧しくて、学校で必要なものが買えない、家の手伝いをしたり働いて家計を支えたりしなくてはならないなどの理由で、学校に行っていない子どもも多いと言われている。教育を受けることには、どんな意味があるのだろう。読み書きや計算ができないと、日常の取引や契約でも、だまされたり損をしたりするかもしれない。教育を受けることは、新しい環境に対応したり、職業に就いたりするための能力を身につけ、自分らしい人生を選びとっていく上で不可欠な c 人権 の一つである。また、将来を担う世代を教育することは、コミュニティを発展させる力を培うことでもある。 d 近年の国際的な支援もあり、開発途上国でも小学校に通う子どもの割合は増加していると推測される。しかし、すべての子どもに教育を提供するという目的を e 国際社会 が実現できたかどうかは、就学率という数字だけでなく、一人 一人の子どもが教育から何を得ているかということも含めて判断すべきものであろう。

 

問1 下線部 a に関する記述として最も適当なものを、次の①~④のうちから一つ選べ。

 

① 世界各地で発生する難民の保護を主たる目的として設立された国際機関は、世界保健機関(WHO)である。

 

② 労働者の権利の保障や労働条件の改善を主たる目的として設立された国際機関は、国連開発計画(UNDP)である。

 

③ 子どもに必要とされる栄養や医療などの提供を主たる目的として設立された国際機関は、国連児童基金(UNICEF)である。

 

④ 第二次世界大戦後の復興と経済開発のための融資を主たる目的として設立された国際機関は、国連貿易開発会議(UNCTAD)である。

 

問2 下線部 b に関して、開発途上国と貧困に関する記述として適当でないものを次の①~④のうちからつ選べ。

 

① 1970年代には開発途上国の経済的利益の尊重を求める新国際経済秩序(NIEO)樹立宣言が採択された。

 

② 1990年代には、国の開発の度合いを測る指標の一つとして、平均余命、教育所得の三側面から算出される、人間開発指数(HDI)が用いられるようになった。

 

③ 開発途上国のなかでも人当たりの所得が特に低く、最低限必要な栄養など基本的な生活水準が満たされていない国を、後発開発途上国(LDC)という。

 

④ 貧困と飢餓の撲滅や教育の普及、女性の地位向上など、2015年の達成を目指して国連で取り組まれていた目標を、国民総幸福(GNfI)という。

 

問3 下線部 c に関する記述として最も適当なものを次の①~④のうちから選べ。

 

① 子どもの権利条約(児童の権利条約)には、子どもが意見を表明する権利が規定されている。

 

② 日本では、女性差別撤廃条約(女子差別撤廃条約)の批准に向けて、男女共同参画社会基本法が制定された。

 

③ 国連世界人権会議では、ウィーン宣言に先住民の権利保護の強化を含めることが見送られた。

 

④ 基本的人権に関する世界共通の基準を示す世界人権宣言は、国連において条約として採択されたものである。

 

問4 下線部 d に関連して、次の表は、経済協力開発機構(OECD)加盟国5か国による、開発途上国への教育分野における政府開発援助(ODA)の総額と、そのうちの初等教育への援助額を示したものである。表から読み取れることとして最も適当なものを、下の①~④のうちから一つ選べ。

 

表 教育分野におけるODAの額

(100万米ドル)

  教育分野の援助総額 初等教育への援助額
2003年 2013年 2003年 2013年
フランス 1.445 1.459 26 138
ドイツ 1.327 1.732 70 128
日本 805 701 74 84
イギリス 212 1.435 126 312
アメリカ 339 844 220 586

(注1) 2003年の金額は、2013年米ドルを基準にした実質値で示している。データはいずれも支出総額である。
(注2) 初等教育の援助対象には、子どものためのすべての初等及び最初の系統的教育で公式及び公式外に行われるものや、それらのための教材が含まれる。なお、就学前教育への援助は含まれない。 OECD, OECD. Stat, DAC Creditor Reporting System (CRS) (OECD Web ページ)により作成。

 

① 2003年において、教育分野の援助総額が最も多い国はフランスであり、初等教育への援助額が最も少ない国はアメリカである。

 

② 2013年において、教育分野の援助総額における初等教育への援助額の割合が最も小さい国はドイツであり、最も大きい国は日本である。

 

③ 2003年と2013年を比較して、教育分野の援助総額の減少額が最も大きい国は日本であり、初等教育への援助額の増加額が最も大きい国はドイツであ る。

 

④ 2003年と2013年を比較して、教育分野の援助総額の増加率が最も大きい国はイギリスであり、初等教育への援助額の増加率が最も大きい国はフランスである。

 

問5 下線部 e に関連して、グローバルな問題についての考え方や取組みに関する記述として適当でないものを、次の①~④のうちから一つ選べ。

 

① 異文化と共生するためにはそれぞれが互いの文化や宗教生活様式などを尊重することが必要だという考え方を、自民族中心主義(エスノセントリズム)という。

 

② 貧困環境破壊、感染症などの問題に対処するためには、国家の安全を保障するだけでは不十分であり、人々の生活の安全を守る必要があるという考え方を「人間の安全保障」という。
③ 人類が存続していくためには、開発における地球環境への配慮が必要だとする、「環境と開発に関するリオ宣言」で採用された考え方を「持続可能な開発」という。

 

④ 開発途上国の貧困層の自立などを進め、貧困を削減するための取組みの一つとして、無担保・低金利で少額の資金を融資するシステムを、マイクロクレジットという。

設 問 正 解 配 点
問1 3 3
問2 4 3
問3 1 3
問4 4 2
問5 1 3

 

 

 

戻 る