2017年大学入試センター試験問題

現代社会

現 代 社 会

(解答番号

 

  

 

 

第 1 問
次の文章を読み、下の問い(問1 ~ 8)に答えよ。(配点 22)

 

かつて日本の森林は、(まき)や木炭、材木、a 食料 など、地域住民の生活物資を生産する場所であり、人々は森林と密接に関わりながら生活していた。国内の森林の多くは、このような人との関わりのなかで、人が利用し、手入れすることで維持されてきた。しかし、b 電気・ガス の利用が広がるなど、人々の生活スタイルは変わり、森林との関わりも変化していった。また、林業が、1960年代後半以降、衰退したこともあり、現在管理が行き届かず、荒廃した森林がみられるようになっている。一方、森林は、環境保全機能を有している。例えば樹木が根を張り巡らすことによって、雨水による土壌の浸食や流出を防ぎその土壌は水を蓄え、濾過(ろか)し、水源を涵養(かんよう)する。また、樹木は、大気中の二酸化炭素を吸収する。このような機能を維持するためには人の森林への積極的な関わりが求められている。そのようななか、現在、森林を活用する新たな取組みが始まっている。ある c 自治体 では木を育てる過程で伐採される間伐材や製材の際に発生する端材を燃料とし、公共施設などの空調や給湯に使用している。こうした地域の森林を資源としていかす活動を支援するなど、d 行政による取組みもみられる。さらに、森林を対象にした e 社会的な活動 も行われている。例えば都市住民が森林の手入れを行う森林ボランティアとして下草刈りや間伐を行い、森林の維持や管理に貢献している活動がある。また、子どもたちが森林を歩き f 森林の働きを調べ、気づいたことを学校で発表する などの活動もみられる。人が森林と関わることは森林を媒介として g 個人が地域社会と関わる ことでもある。地域社会の課題解決や活力ある地域づくりを進めるためにも人と森林が積極的に関わることが期待される。

 

問1 下線部 a に関する記述として最も適当なものを次の①~④のうちから一つ選べ。

 

① GA打(関税と貿易に関する一般協定)のウルグアイ・ラウンドにおいては農産物は協議の対象外であった。

 

② 農産物の貿易自由化などを目指すTPP(環太平洋経済連携協定)に日本は署名していない。

 

③ 日本において、コメの過剰生産が問題となったがコメの生産量を調整しようとする政策がとられたことはない。

 

④ 世界食糧サミットにおいて、地球規模での栄養不足人口を減少させることを目指したローマ宣言が採択された。


 

問2 下線部 b に関して、エネルギーや資源に関する記述として適当でないものを次の①~④のうちから一つ選べ。

 

① 第一次石油危機が生じた原因の一つに、OPEC(石油輸出国機構)による原油価格の引上げがある。

 

② トウモロコシやサトウキビなどを原料とするバイオエタノールの生産の拡大は、食糧の供給に影響を与えるおそれがあると言われている。

 

③ 日本において、電力会社に 再生可能エネルギーでつくられた電力を買い取るよう義務づける制度は、コージェネレーションと呼ばれている。

 

④ 日本において、携帯電話やデジタルカメラなど、小型家電の再資源化を促進する法律が制定されている。


 

問3 下線部 c に関して、日本の地方自治体に関する記述として最も適当なものを次の①~④のうちから一つ選べ。

 

① 地方自治体の執行機関である首長は地方議会の議員のなかから議決によって指名される。

 

② 首長から独立して行政を担うために地方自治体に置かれる委員会は、地方自治体の組織上、議決機関に分類される。

 

③ 機関委任事務は、国と地方自治体の関係を「対等• 協力」の関係にするため、地方分権一括法により新設されたものである。

 

④ 首長は、条例制定に関する地方議会の議決に異議があるときは、これを再議に付すことが認められている。


 

問4 下線部 d に関して、現在の日本の行政に関する記述として最も適当なものを次の①~④のうちから一つ選べ。

 

① 行政の活動について争う訴訟は、行政裁判所に提起する。

 

② 国における行政権の拡大の要因として、委任立法の減少が指摘されている。

 

③ 公務員の不法行為により損害を受けた者に、国や公共団体に対して損害賠償を請求する権利が、憲法によって保障されている。

 

④ 行政指導は、手続きの不透明さを理由に、行政手続法によって禁止されている。


 

問5 下線部 e に関して、日本における市民や企業による社会貢献活動に関する記述として適当でないものを 次の①~④のうちから一つ選べ。

 

① 社会貢献活動に取り組む団体の活動を促進するための特定非営利活動促進法(NPO法)は高度経済成長期に制定されている。

 

② 従業員がボランティア活動に参加しやすくするため、ボランティア休暇の導入に取り組む企業がある。

 

③ 地域社会でのボランティア活動を支援するなど、企業による社会貢献活動はフィランソロピーと呼ばれることがある。

 

④ 企業が行うゼロ ・ エミッションの取組みとはその活動において排出される廃棄物などをゼロにしようとするものである。


 

問6 下線部 f に関して、課題について調べたり発表したりする際の活動内容に関する記述ア~ウと、その内容を表す名称A~Dとの組合せとして最も適当なものを、下の①~④のうちから一つ選べ。

 

ア 森林のゴミ問題を解決するために地域住民でできるボランティア活動について、批判せずに自由にアイデアを出し合う。

 

イ 森林をテーマにした環境教育を実践する市民団体がどのような活動をしているのかを知るため、その団体の代表者と直接会って、詳しく話を聞く。

 

ウ 森林で放置される間伐材を有効に活用する方法について研究した結果を、他の人たちの前で報告する。

 

A インタビュー

 

B ロールプレイ

 

C プレゼンテーション

 

D プレインストーミング

 

 

① ア ー A  イ ー B  ウ ー C

 

② ア ー A  イ ー C  ウ ー D

 

③ ア ー B  イ ー A  ウ ー C

 

④ ア ー B  イ ー C  ウ ー D

 

⑤ ア ー C  イ ー A  ウ ー B

 

⑥ ア ー C  イ ー D  ウ ー A

 

⑦ ア ー D  イ ー A  ウ ー C

 

⑧ ア ー D  イ ー B  ウ ー A


 

問7 下線部 g に関連して、個人と社会との関わりについての主張や思想に関する記述として最も適当なものを次の①~④のうちから一つ選べ。

 

① ハーバーマスは、近代人にとって自由は重荷と感じられ、自発的に服従を望むようになることがあるとして、これを「自由からの逃走」と名づけた。

 

② ニーチェは、「アンガジュマン」という言葉を用いて、社会参加の重要性を主張した。

 

③ 他人の評価を自分の行動の甚準として内面化し、周囲に同調する大衆の社会的性格を、リースマンは「他人指向型」と呼んだ。

 

④ 権力や権威に追従しつつ、弱者に対しては攻撃的に振る舞う性格を、ウェーバーは「権威主義的パーソナリティ」と定式化した。


 

問8 本文の内容と合致する記述として適当でないものを次の①~④のうちから一つ選べ。

 

① かつて人々は薪や木炭を燃料にするなど森林と密接に関わりながら生活していた訊電気などの普及により、人々と森林の関わりも変化していった。

 

② 森林の環境保全機能を維持するためには、森林に対する人々の関わりを抑制していくことが求められている。

 

③ 間伐材や製材の際に発生する端材のエネルギー源としての利用は、森林を資源として活用する取組みの一つである。

 

④ 森林を対象とした社会的な活動として、都市住民による森林ボランティアや森林での学習活動がある。


 

第 2 問
次の文章を読み下の問い(問1 ~ 5)に答えよ。(配点 14)

 

我々は政治とどう関わるべきか。 a 民主政治 の歴史は古く、紀元前のギリシャにまで遡る。そこでは確かに人々の声が反映されたが、冷静さを欠いた浮動的な感情が反映されると政治は危機に陥った。これを衆愚政治と言う。 b 古典的著作 の節にも、人々が節度や判断力を失った混乱の先には、僭主(せんしゅ)の支配が待つとある。市民革命を経た民主政治では自由と平等を念頭に、c 多様な民意を政治に反映させ、権力を制御する様々な試み がなされてきた。しかし、現在に至っても、衆愚政治の危機が克服されたとは言い難い。大衆迎合的なポピュリズムによる混乱のなかで、慎重な民意が沈黙し、独裁的な政治が出現したこともある。近年、情報通信技術(ICT)の飛躍的発展により、我々は以前とは比較にならないほど容易に情報を入手し、自らの意見を発信できるようになった。この利便性や双方向性の向上は、国境や世代を越えた意見の交流を可能とし、政治の分野にも新境地を(ひら)いた。他方で、ICTがデマの拡散や d 犯罪 ・テロに利用されることもある。制度や技術は、運用次第で人々を幸福にも不幸にもする。人々が社会や政治に関心をもち、歴史に学び、多様な価値観や意見と積極的に接し、互いを尊重した意見の発信を行うようになれば、 e 議会制民主主義 は健全に維持されよう。そのための希望は、これからも学び続けようとする皆さん一人一人にある。

 

問1 下線部 a に関して、外国の政治制度に関する記述として最も適当なものを次の①~④のうちから一つ選べ。

 

① イギリスの議院内閣制では首相に上院の解散権がある。

 

② アメリカの大統領制では議会に大統領の不信任決議権がある。

 

③ イギリスの議院内閣制では首相は議会に議席をもたない。

 

④ アメリカの大統領制では大統領は議会に議席をもたない。


 

問2 下線部 b に関して、国家や政治のあり方についての思想に関する記述として最も適当なものを、次の①~④のうちから一つ選べ。

 

① プラトンは、可視的な現実世界の探求を愛する者たちによる政治が理想であると論じた。

 

② アリストテレスは、中産市民が多数派となる共和制(共和政)を中庸を得た国制と考えた。

 

③ ホッブズは、万人の万人に対する闘争を回避するために、人々が自然権を国家から獲得したと論じた。

 

④ ロックは、政府が社会契約に違反した場合でも、人々が抵抗権(革命権)を行使して政府を変更してはならないと考えた。


 

問3 下線部 c に関連して、統治の原則に関する記述として適当でないものを次の①~④のうちから一つ選べ。

 

① 国王や君主などの権力者は法に従う必要はないとする専断的な政治のあり方は、人の支配と呼ばれる。

 

② 選挙における直接選挙の原則とは、有権者がもつ一票の価値は同じであるべきとする考え方のことである。

 

③ 国家権力を分け、その担い手を分離独立させ、相互に抑制・均衡させることで、権力の濫用を阻止する考え方は、権力分立の原則と呼ばれる。

 

④ 国家からの自由とは国家権力による不当な干渉や侵害を人々が受けないことを保障しようとするものである。


 

問4 下線部⑪に関して、日本における刑事司法に関する記述として最も適当なものを次の①~④のうちから一つ選べ。

 

① 法定手続の保障には、法律の定める手続によらなければ刑罰を科せられないことが含まれる。

 

② 無罪推定の原則とは、判決が確定した後に同じ事件で再び裁判にかけられないことをいう。

 

③ 刑事事件における被告人が、弁護人を依頼することができるということは、憲法には規定されていない。

 

④ 刑事事件において有罪判決が確定した後再審によって無罪となった事例は現在まで存在しない。


 

問5 下線部 e に関して、日本の議会制民主主義に関する記述として最も適当なものを、次の①~④のうちから一つ選べ。

 

① 保守政党と革新政党が対抗した「55 年体制」の下では 国会の議席数において革新優位の状況が続いたとされている。

 

② 衆議院における野党が、与党の議席数を参議院において上回る現象は、現在まで生じていない状況にある。

 

③ 国政調査において証人の出頭や証言を求める権限は、憲法上、衆議院と参議院の両方に認められている。

 

④ 内閣に対して不信任を決議する権限は、憲法上、衆議院と参議院の両方に認められている。


 

 

第 3 問
就職活動を始めた大学生(A)と社会人の先輩(B)が会話している。 次の会話文を読み、下の問い(問 1 ~ 8)に答えよ。(配点 22)

 

A:最近、就職活動を始めて、インターネットで a 企業 の情報を収集しています。

 

B:事業紹介以外にも財務データなどを公開している企業が多いよね。

 

Ab 株式 を上場している企業とそうでない企業がありますが、上場するのには何か理由があるんですか。買収されちゃう可能性があるんですよね。

 

B:うん。ただ、上場すると c 金融機関 以外からの資金調達もしやすくなるし、上場の厳しい条件をクリアしたということで、会社の信用が高まるといったメリットもあるんだ。 あと、知名度も上がるしね。

 

A:なるほど。そういえば株価の変動って、あまり実感が湧かないんですよ。株価が上がっても下がっても、株式をもっていない人には関係がないように見えますけど。

 

B:確かにね。 でも、みんなが将来受け取る d 年金 の保険料の一部は、株式に投資されているんだよ。 だから株式をもっていない人でも、まったく無関係ってわけじゃないんだ。

 

A:自分の生活設計にも関係してくる部分があるんですね。

 

B:そうなんだ。 身近なところだけじゃなく、株価は e 景気の動向 とある程度連動しているから、経済の動きを見るうえで参考になることも多いよ。

 

A:面白いですね。これから f 社会人 としてやっていけるか、少し不安ですが、もっと幅広く g 日本や世界の経済情勢 にも目を向けてみたいと思います。

 

B:特に就職活動中はキャリア形成や人生設計を考えるし、周りからいろいろ言われるから、何かと h 葛藤が起こるよね。何かあれば相談してね。

 

問1 下線部 a に関する記述として最も適当なものを次の①~④のうちから一つ選べ。

 

① コングロマリットとは、同一業種の企業を合併・買収して事業を拡張した企業のことである。

 

② 今日では、ベンチャー企業に資金調達の場を提供する新興株式市場が日本に存在する。

 

③ 日本において、競争を抑制するような企業の行動に対しては、財務省が監視にあたっている。

 

④ GHQ(連合国軍総司令部)の指示による解体の対象となった日本の財閥は、一般的にトラストの形態をとっていたと言われている。


 

問2 下線部 b に関して、日本の株式会社制度に関する記述として最も適当なものを次の①~④のうちから一つ選べ。

 

① 株式会社の取締役は、その会社の株主のなかから選ばれなければならない。

 

② 株式を発行して集めた資金は、会社の自己資本である。

 

③ 株式会社は利益の有無にかかわらず株主に対して配当金を支払う必要がある。

 

④ 株式会社の取締役を株主総会の議決によって交代させることはできない。


 

問3 下線部 c に関して、1990年代の日本の金融機関の状況に関する記述として適当でないものを次の①~④のうちから一つ選べ。

 

① 金融機関の保有する不良債権処理などの指導をはじめとして、金融機関への監督には、当時の通商産業省が当たっていた。

 

② 金融機関が企業に対する融資条件を厳しくして貸付を中止・減額する貸し渋りや、融資した資金を積極的に回収する貸し剥がしが行われた。

 

③ 相次ぐ金融機関の破綻などを背景に、金融再生法が制定された。

 

④ 不良債権が増え、金融機関の自己資本比率が低下した。


 

問4 下線部 d に関して、日本の社会保障制度に関する記述として最も適当なものを次の①~④のうちから一つ選べ。

 

① 基礎年金制度は、各種年金制度間の格差を緩和することなどを目的として導入されている。

 

② 学生の場合、20歳以上であっても、国民年金への加入は義務ではない。

 

③ 公的扶助に関する事務は、福祉事務所では行われていない。

 

④ 現在、社会保険を構成しているのは、医療保険、年金保険、雇用保険、介護保険の四つである。


 

問5 下線部 e に関して、日本の景気動向や経済情勢に関する記述として最も適当なものを次の①~④のうちから一つ選べ。

 

① 1980年代後半においては低金利政策を背景に、「狂乱物価」と呼ばれる事態が生じた。

 

② 1990年代以降の経済の低迷期は「失われた10年」と呼ばれることがある。

 

③ 実質経済成長率は、1980年代以降現在まで、毎年プラスが続いている。

 

④ 第二次世界大戦後のいわゆる護送船団方式の下では、銀行間の競争が促進される傾向があった。


 

問6 下線部 f に関して、次の図は、新入社員に「会社を選ぶときあなたはどういう要因を最も重視しましたか」と尋ねた調査の結果の一部を 5年刻みでまとめたものである。この図から読み取れる内容を記述した次ページの文 A ~ D を参考にして、図の ア ~ 工 に該当する項目 a ~ d の組合せとして最も適当なものを次ページの①~⑥のうちから一つ選べ。

 

A 「 a 給料が高いから」は、1990 年から 2000 年までは「経営者に魅力を感じたから」を上回っていたが 2005 年から 2015 年までは下回っている。

 

B 「b 会社の将来性を考えて」は、1990 年から 2005 年までは減少し、2005年から 2015 年までは、「技術が覚えられるから」を下回っている。

 

C 「c 自分の能カ・個性が生かせるから」と「d 仕事がおもしろいから」 は 1995 年から 2010 年まで増加し続けたが、2015 年には減少した。

 

D 1990年には、「d 仕事がおもしろいから」の割合は「b 会社の将来性を考えて」の半分以下だったが、2000年にはほぼ同じになり、2015年には、両者の関係は逆になっている。

 

a 給料が高いから

 

b 会社の将来性を考えて

 

c 自分の能カ・個性が生かせるから

 

d 仕事がおもしろいから

 

① ア ー c  イ ー b  ウ ー a  エ ー d

 

② ア ー c  イ ー d  ウ ー a  エ ー b

 

③ ア ー c  イ ー d  ウ ー b  エ ー a

 

④ ア ー d  イ ー c  ウ ー b  エ ー a

 

⑤ ア ー d  イ ー c  ウ ー a  エ ー b

 

⑥ ア ー d  イ ー b  ウ ー a  エ ー c


 

問7 下線部 g に関する記述として最も適当なものを次の①~④のうちから一つ選べ。

 

① 2000年代に世界経済における存在感を高めたBRICsは、豊富な人口や天然資源を有する国々であった。

 

② 2010年にドイツの財政危機を背景として、ユーロの信認が揺らぐ事態が発生した。

 

③ 2000年代において、輸出入を合わせた年間貿易総額で、日本にとって中国は第 3 位の貿易相手国であった。

 

④ 2010年代前半において、日本の公的債務残高の対GDP比は、他のOECD(経済協力開発機構)加盟国と比べて低かった。


 

問8 下線部 h に関して、葛藤は、接近したい欲求と回避したい欲求の組合せから、いくつかの型に分けられる。 これらの型の一つに、いわゆる「ヤマアラシのジレンマ」を分類したとする。 このとき葛藤として「ヤマアラシのジレンマ」と同じ型に分類されるものを次の A ~ C からすべて選んだときその組合せとして最も適当なものを、下の①~⑧のうちから一つ選べ。

 

A 大学を卒業したら外国に留学して勉強を続けたいが、 国内で働いて職業人としてのキャリアも積みたい。

 

B 親の勧めてくれる職業を選んで親を安心させたいが、その仕事は自分には退屈で苦痛だろうから避けたい。

 

C 自分のアイデアをもとに起業に挑戦してみたいが、競争の激しさや、破産する可能性を考えると尻込みする。

 

① A と B と C

 

② A と B

 

③ A と C

 

④ B と C

 

⑤ A

 

⑥ B

 

⑦ C

 

⑧ 該当するものはない


 

第 4 問
次の文章を読み、下の問い(問1 ~ 5)に答えよ。(配点 14)

 

古くから残る a 歴史的建造物の保護 と、それらと調和のとれた景観の保全は、地域文化の継承や地域らしさの維持のために重要である。日本では、 b 法律 の下、多くの歴史的建造物が国宝や重要文化財に指定され、保護が図られている。しかし、1990年代には、国宝に指定されたある寺院の背後に高層マンションが建設されたことで、寺院と調和のとれた景観が損なわれるという状況が生じた。つまり、「点」としての建造物のみを重点的に保護していても、歴史的景観の保全が実現されないおそれがあると言える。それでは、このおそれを排除するためにはどうすればよいだろうか。ヨーロッパ諸国には歴史的景観が多く残されているが、例えば、フランスでは、建造物と調和のとれた景観を守るために、建造物の保護に加え、その周囲における c 法制度通じた建築規制の強化 が行われてきた。このように、「点」のみならず、「面」としての周辺環境の保護が、歴史的景観の保全には必要なのである。「点」と「面」の保護には国や地方自治体が大きな役割を担っている。国や地方自治体は、 d 地域住民 による取組みへの支援や、 e 法的規制 を通じてそれを実現する。 日本でも、「点」と「面」の保護に向けて法律や条例を通じた取組みが広がってきており、歴史的景観のさらなる保全が期待されている。

 

問1 下線部 a に関連して、次の写真①~④は日本の世界遺産に関連するものである。19世紀後半から20世紀初頭にかけての急速な産業化の道筋を示す産業遺産群として2015年に世界文化遺産に登録された「明治日本の産業革命遺産」の構成資産として適当でないものを次の①~④のうちから一つ選べ。



 

問2 下線部 b に関して、日本の立法機関である国会に関する記述として最も適当なものを次の①~④のうちから一つ選べ。

 

① 法律案が衆議院で可決されたとしてもそれが参議院で可決されない限り、その法律が成立することはない。

 

② 日本と外国の間での条約の締結を承認する権限を国会は有していない。

 

③ 衆議院解散後に行われる衆議院議員総選挙の日から30日以内に召集される国会は、臨時会(臨時国会)と呼ばれる。

 

④ 国会への法律案の提出は国会議員だけでなく内閣も行っている。


 

問3 下線部 c に関連して、環境の保護や保全を目的に国や地方自治体が採る法的手法として、次の A ・ B の記述に表されるものなどがある。下の ア ~ ウ の日本で採られる手法の例について、A ・ B のいずれの手法に基づくものであるかを区分した場合に、A に区分されるものをすべて選び、その組合せとして最も適当なものを下の①~⑧のうちから一つ選べ。

 

A 私人の権利や自由に対して直接規制を加える。

 

B 私人に経済的インセンティブを与えその活動を誘導する。

 

ア 工場排水のなかに含まれる有害物質の排出基準を定め、それに違反したエ場に対して改善命令を行う。

 

イ 有害物質の排出量が少ない自動車を対象として減税を行う。

 

ウ 森林において開発を行う際には行政機関による許可が必要であるとする。

 

① A と B と C

 

② A と B

 

③ A と C

 

④ B と C

 

⑤ A

 

⑥ B

 

⑦ C

 

⑧ 該当するものはない


 

問4 下線部 d に関して、日本における住民による地方自治への関与に関する記述として最も適当なものを次の①~④のうちから一つ選べ。

 

① 地方自治体の住民が行うことのできる直接請求には、当該地方自治体の条例の制定の請求は含まれるが廃止の請求は含まれない。

 

② 地方自治体の住民が行うことのできる直接請求には、当該地方自治体の長の解職の請求は含まれるが議員の解職の請求は含まれない。

 

③ 憲法上、特定の地方自治体のみに適用される特別法は、その地方自治体における住民投票を経なければ制定することができない。

 

④ これまでに、大都市地域における特別区の設置について賛否を問う住民投票が行われたことはない。

 

問5 下線部 e に関連して、環境の保護や保全についての法制度に関する記述として最も適当なものを次の①~④のうちから一つ選べ。


 

① 良好な自然環境や景観などを享受する環境権の保障は、日本国憲法に明文で規定されている。

 

② 絶滅のおそれがある野生動植物の国際取引の規制に関して、ワシントン条約が採択された。

 

③ 日本において、環境影響評価法の制定以前に、環境影響評価に関する条例を制定していた地方自治体は存在しない状況にあった。

 

④ ラムサール条約は、有害廃棄物の国境を越える移動を規制するために採択されたものである。


 

 

第 5 問
次の文章を読み、下の問い(問 1 ~ 5)に答えよ。(配点 14)

 

ユネスコをはじめとする a 国際機関 は、すべての子どもに教育を提供することを目指して、長年、取り組んできた。しかし、開発途上国には、今も小学校に行くことのできない子どもがいる。教育を受けられない主な原因の一つは、 b 貧困 である。貧しい地域に住んでいると、通える範囲に学校がない、校舎があっても先生がいないので授業が受けられないという場合もある。また、家庭が貧しくて、学校で必要なものが買えない、家の手伝いをしたり働いて家計を支えたりしなくてはならないなどの理由で、学校に行っていない子どもも多いと言われている。教育を受けることには、どんな意味があるのだろう。読み書きや計算ができないと、日常の取引や契約でも、だまされたり損をしたりするかもしれない。教育を受けることは、新しい環境に対応したり、職業に就いたりするための能力を身につけ、自分らしい人生を選びとっていく上で不可欠な c 人権 の一つである。また、将来を担う世代を教育することは、コミュニティを発展させる力を培うことでもある。 d 近年の国際的な支援もあり、開発途上国でも小学校に通う子どもの割合は増加していると推測される。しかし、すべての子どもに教育を提供するという目的を e 国際社会 が実現できたかどうかは、就学率という数字だけでなく、一人 一人の子どもが教育から何を得ているかということも含めて判断すべきものであろう。

 

問1 下線部 a に関する記述として最も適当なものを、次の①~④のうちから一つ選べ。

 

① 世界各地で発生する難民の保護を主たる目的として設立された国際機関は、世界保健機関(WHO)である。

 

② 労働者の権利の保障や労働条件の改善を主たる目的として設立された国際機関は、国連開発計画(UNDP)である。

 

③ 子どもに必要とされる栄養や医療などの提供を主たる目的として設立された国際機関は、国連児童基金(UNICEF)である。

 

④ 第二次世界大戦後の復興と経済開発のための融資を主たる目的として設立された国際機関は、国連貿易開発会議(UNCTAD)である。


 

問2 下線部 b に関して、開発途上国と貧困に関する記述として適当でないものを次の①~④のうちからつ選べ。

 

① 1970年代には開発途上国の経済的利益の尊重を求める新国際経済秩序(NIEO)樹立宣言が採択された。

 

② 1990年代には、国の開発の度合いを測る指標の一つとして、平均余命、教育所得の三側面から算出される、人間開発指数(HDI)が用いられるようになった。

 

③ 開発途上国のなかでも人当たりの所得が特に低く、最低限必要な栄養など基本的な生活水準が満たされていない国を、後発開発途上国(LDC)という。

 

④ 貧困と飢餓の撲滅や教育の普及、女性の地位向上など、2015年の達成を目指して国連で取り組まれていた目標を、国民総幸福(GNfI)という。


 

問3 下線部 c に関する記述として最も適当なものを次の①~④のうちから選べ。

 

① 子どもの権利条約(児童の権利条約)には、子どもが意見を表明する権利が規定されている。

 

② 日本では、女性差別撤廃条約(女子差別撤廃条約)の批准に向けて、男女共同参画社会基本法が制定された。

 

③ 国連世界人権会議では、ウィーン宣言に先住民の権利保護の強化を含めることが見送られた。

 

④ 基本的人権に関する世界共通の基準を示す世界人権宣言は、国連において条約として採択されたものである。


 

問4 下線部 d に関連して、次の表は、経済協力開発機構(OECD)加盟国5か国による、開発途上国への教育分野における政府開発援助(ODA)の総額と、そのうちの初等教育への援助額を示したものである。表から読み取れることとして最も適当なものを、下の①~④のうちから一つ選べ。

 

表 教育分野におけるODAの額

(100万米ドル)

  教育分野の援助総額 初等教育への援助額
2003年 2013年 2003年 2013年
フランス 1.445 1.459 26 138
ドイツ 1.327 1.732 70 128
日本 805 701 74 84
イギリス 212 1.435 126 312
アメリカ 339 844 220 586

(注1) 2003年の金額は、2013年米ドルを基準にした実質値で示している。データはいずれも支出総額である。
(注2) 初等教育の援助対象には、子どものためのすべての初等及び最初の系統的教育で公式及び公式外に行われるものや、それらのための教材が含まれる。なお、就学前教育への援助は含まれない。 OECD, OECD. Stat, DAC Creditor Reporting System (CRS) (OECD Web ページ)により作成。

 

① 2003年において、教育分野の援助総額が最も多い国はフランスであり、初等教育への援助額が最も少ない国はアメリカである。

 

② 2013年において、教育分野の援助総額における初等教育への援助額の割合が最も小さい国はドイツであり、最も大きい国は日本である。

 

③ 2003年と2013年を比較して、教育分野の援助総額の減少額が最も大きい国は日本であり、初等教育への援助額の増加額が最も大きい国はドイツであ る。

 

④ 2003年と2013年を比較して、教育分野の援助総額の増加率が最も大きい国はイギリスであり、初等教育への援助額の増加率が最も大きい国はフランスである。


 

問5 下線部 e に関連して、グローバルな問題についての考え方や取組みに関する記述として適当でないものを、次の①~④のうちから一つ選べ。

 

① 異文化と共生するためにはそれぞれが互いの文化や宗教生活様式などを尊重することが必要だという考え方を、自民族中心主義(エスノセントリズム)という。

 

② 貧困環境破壊、感染症などの問題に対処するためには、国家の安全を保障するだけでは不十分であり、人々の生活の安全を守る必要があるという考え方を「人間の安全保障」という。
③ 人類が存続していくためには、開発における地球環境への配慮が必要だとする、「環境と開発に関するリオ宣言」で採用された考え方を「持続可能な開発」という。

 

④ 開発途上国の貧困層の自立などを進め、貧困を削減するための取組みの一つとして、無担保・低金利で少額の資金を融資するシステムを、マイクロクレジットという。


 

第 6 問
次の文章を読み、下の問い(問1 ~ 5)に答えよ。(配点 14)

 

現代の a 経済の仕組み の下では、多くの人々が企業で働き、賃金を得て生活している。そうした b 労働者の立場 からすると、賃金は上がる方が望ましいだろう。逆に企業の立場からはどうか。 c 利潤を追求する企業 にとって、賃金は費用である。費用が低くなれば、企業はその分高い利潤を得て、それが生産を活発にするかもしれない。同じことが多くの企業で起きれば経済全体も活性化し得るという理由で、賃金は下がる方がよいと結論づけられそうだがことはそう単純ではない。通常賃金が下がった場合、労働者は支出を抑えることになる。賃下げが多くの企業で行われれば経済全体として消費支出が減り、 d 景気 は悪化することになるだろう。このように賃金の低下は経済活動を停滞させてしまい、結果として個々の企業の利潤を低下させてしまう可能性がある。以上のように賃金は、個々の企業にとって費用であるー方、経済全体にとっては需要を生み出す e 所得 としての側面をもつ。賃金の上昇や低下は、これら二つの側面を通じて、企業の利潤に影響を与える。賃金が上がる方がよいのか、下がる方がよいのかは、費用としての側面が経済全体に与える効果と、所得としての側面が与える効果のどちらが強いか次第とも言えよう。一つの経済的変化が複数の効果をもち、それが経済全体に広がっていることに皆さんも目を向けてみよう。

 

問1 下線部 a に関して、資本主義経済にかかわる考え方に関する記述として適当でないものを次の①~④のうちから一つ選べ。

 

① J.M.ケインズは、資本主義の下で生じる深刻な不況や失業という問題に対処するために、有効需要を政府がつくり出すべきと主張した。

 

② A. スミスは、人々が自己利益を追求することが、同時に社会全体の利益にもなると主張した。

 

③ J.A.シュンペーターは、企業家による創造的破壊が、資本主義経済を発展させる原動力であると主張した。

 

④ D. リカードは、資本主義の下では、労働者は生産物や自分自身から疎外されると主張した。


 

問2 下線部 b に関して、1990年代以降の日本における労働環境に関する記述として最も適当なものを次の①~④のうちから一つ選べ。

 

① 労働者一人当たりの年間総労働時間は次第に短くなり、現在はドイツやフランスを下回るまでになっている。

 

② 労働甚準法の改正によって、裁量労働制の対象となる業務の範囲が拡大した。

 

③ 若年層の失業率は、全年齢層の平均失業率に比べて低い状態が続いている。

 

④ 労働者派遣法の改正によって、製造業は、原則として労働者派遣業務の対象外となった。


 

問3 下線部 c に関して、市場における競争や企業に関する記述として最も適当なものを次の①~④のうちから一つ選べ。

 

① 小規模な売り手と買い手が多数存在するなど、自由競争が支配する市場では、企業は価格支配力をもたないとされる。

 

② 企業が、将来の新規投資などに充てるべく、獲得した利潤のうちから蓄積する部分を減価償却と呼ぶ。

 

③ 規模の経済が働く産業における競争では生産規模が小さな企業ほど有利であるとされる。

 

④ 企業が、その業務の一部を他の企業に委託することをデリバティブと呼ぶ。


 

問4 下線部 d に関して、現代の景気循環における諸局面と経済政策に関する記述として適当でないものを次の①~④のうちから一つ選べ。

 

① 好況期において、景気の過熱を抑えるために政府が行う政策の一つとして、増税がある。

 

② 景気の後退期においては、商品の需要に対して供給が過剰になり、在庫が増える傾向にある。

 

③ 不況期において、景気を回復させるために中央銀行が行う政策の一つとして、金融市場で国債等を売却する操作がある。

 

④ 景気の回復期においては、在庫が一定水準以下に減少すると、商品の生産が増加する傾向にある。


 

問5 下線部 e に関して、所得の格差や再分配に関する記述として最も適当なものを、次の①~④のうちから一つ選べ。

 

① 1980年代以降日本では、所得に関するジニ係数の低下傾向が続いている。

 

② 1990年代以降中国では、都市部と農村部との所得格差が小さい状況が続いている。

 

③ 税負担の垂直的公平とは、職種にかかわらず、同程度の所得であれば同程度の税金を負担すべきという考え方である。

 

④ 公的扶助には、所得を再分配する機能があるとされる。


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